ダンボールの強度は何で決まる?厚さや構造との関係を解説

ダンボールはサンドイッチ?

ダンボールの断面を見ると、波打つような紙が挟まれているのを見つけることができるでしょう。
ダンボールの構造はサンドイッチのように3層でできており、表面となる紙と裏面となる紙の間に、芯となる紙が入っています。

それぞれを表ライナー、中芯、裏ライナーといい、中芯が波打つ波形ボール紙でできています。
これら3枚を貼り合わせて厚さを出し、強度とクッション性を実現しているのがダンボールの工夫なのです。

特に工夫が凝らしてあるのが中芯で、三角形が連なる波形はトラス構造と呼ばれます。トラス構造は外部から力が加わってもその力を分散することが可能なため、衝撃にも耐えられる丈夫な特徴を備えられます。
ダンボールはちょっとぶつけても中のものを守ってくれる強度を持っていますが、これもこのトラス構造のおかげなのです。

ライナーにも種類がある

中芯を両側から挟むライナーには、Cライナー(ジュートライナー)とKライナー(クラフトライナー)という2種類があります。
これは原料の差で、大きく異なるのが強度です。

Cライナーは古紙のみ、Kライナーは古紙を使いながらも3割程度の木材をしようしたパルプを新たに加えるため、Cライナーより強度が高くなっているのが特徴です。
またCライナーにも種類があり、C5は強度がかなり低いため、中の仕切りなどに多用されます。
C6はC5よりは強くなるものの、さほど違いはないため最近はあまり出番がなく、代わりにK5が使われることが増えています。
KライナーにもK5からK7までの種類があり、K5は小さくて壊れやすいものの梱包に、K6は積み上げにも耐えられる程度の梱包に、K7は輸出や重量物の梱包に使用されることが多いです。

厚みを決めるフルートとは

ダンボールのフルートは、中芯の波のことを表す言葉です。
ダンボールの強度は単に板厚だけで決まるものではなく、中芯の波の数がとても重要となるためJISが規定しています。
たとえば全体の厚みが薄めでも、波の数が密集しているダンボールはとても頑丈です。
フルートは一般的にダンボール板30cmあたりにどれくらいの数があるか、どれくらいの厚みがあるかによって分類され、種類によって強度の目安となるのです。

さまざまな形状が作れますが、現在主に使われているフルートには5種類あります。
Aフルートは最も一般的なタイプで、5mm厚で波が34±2個とされています。
Bフルートは2.5~2.8mm厚で、波が50±2個とされています。
Cフルートは約3.5~3.8mm厚で波は40±2個、Eフルートは1.10~1.15mm厚と薄く、波は95±5個がJIS規格ですが、実際には80個程度のものも少なくありません。
一般的ではありませんがとても頑丈なのがWフルートで厚みは8mm、主に輸出などに使われます。